老後の末路

祖父母がそれぞれ88歳と90歳に達している

88歳の祖母はもうボケが進行し切ってしまい施設暮らしを余儀なくされている

そしてもう孫の俺のことなどもうかけらも覚えてなどいない

5年近く帰省していなかったが

その5年の間に俺のことなどもう微塵も覚えていないようだ

なんだ

結局、サヨナラだけが人生じゃないか

俺は1番可愛がって貰っていたし何度も祖母に世話になった

 

このコロナのせいで私は、祖母の中から完全に消えてしまったらしい

何かを得るには代価を支払わなければならない

そんな等価交換の原則を見舞われた私は

また一つ生きるのが嫌になって堪らない

 

私にとっての祖母の命日はこの日になった

賢い人だったが

最後はこんなものか

きっと賢い私も

いつかこうなるのだろう

人生ってなんなのだろう

苦しんで苦しんで苦しみぬいて

最後は何もかも忘れてしまう

レナードの朝じゃないか

この世に神なんていない

救いなんてない

 

地元に答えなどない

もう地元に救いなんてない

全てが終わっていて全てが終わっている

俺はもうつまりもう

とっとと言ってしまおう

生きる意味がない

 

 

なんか30代半ばくらいで地元に戻って親の世話になる人をちょくちょく見るけど

どう考えてもそんなの悪手に決まってる

泣いても笑っても人生は続くし物価は高くなるし給料は上がらないし景気は悪くなっていく

そんな不変が延々と続く我が今世は

生きることに値しない

やっぱりそうだったじゃないか

やっぱり俺が以前言った通りこの世は絶望じゃないか

ジョブズだって最期は痛い痛い痛い痛いと言いながら死んでいったんだよ

 

お前らもそうなるし俺もそうなる

生きるってなんなんだ

何の為に生きてる

分からねえまま終わるし分からねえまま潰える

全部誰が悪いって他人が悪い

全てがスムーズにいかないからただでさえ苦なものがより一層に苦になる

ただそれだけの話だろうが

 

俺は俺の合理性を疑わない

俺は俺しか救うことが出来ないし

俺さえも救うことが出来ない