鋼の錬金術師のつまらなさ

無印アニメ版とフルメタアルケミスト版の2つを最近最後まで観た感想

 

まず原作準拠で作られた方はつまらなかった

登場人物達がそれぞれ何がしたいのか分からないし見えてこない

無駄に登場人物が多くそれ故にキャラ一人一人にフォーカスを充てる量が相対的に減り結果的に1人1人の存在価値が下がっており落ちている

それ故に作品自体全体の質も薄っぺらい

作品全体を通して伝えたいテーマも序盤中盤では深く訴求していない為「何を伝えたいのかがイマイチハッキリとしないまま終盤に向かうので取ってつけたような印象が残りやすい」

最終的な規模は大きく世界を巻き込み強大な力を手にした勢力が出てくるが「それは読んでたぜ」と事前に準備していた方法で最も容易く無効化される様は小学生の「はい!バリアー!」に通ずる出鱈目さを感じる

明智光秀の三日天下よりも酷い3分天下と言ったところだろうか

まぁそうしないと大団円なハッピーエンドに軌道修正出来なくなるのは分かるが終盤の人の死ななさ具合に違和感がすごい

むしろ序盤の方が死にまくっている、第五研究所のキャラとか

ホムンクルスの存在価値も薄く退場させたくなったら何かしら理由をつけて弱体化、退場の流れは観ていて「完全にお前の都合や…」とボヤいてしまった

なんつうか全体的にキャラの活かし方が下手に感じた

贔屓キャラが無双してそれ以外はただの引き立て役にしかなっておらずそのキャラのファン以外は楽しめないような内容

伏線回収もなんかどうでもよいとってつけたようなしょうもない設定の羅列で「だからなんなんだよ」としかならない、国土中の地脈を賢者の石が敷き詰められてるから錬金術が変!不完全!とかポカーンとしかならない

貴重であるはずの設定の賢者の石をそんな贅沢な使い方する意味がどこにあるのだよ

意味不明で意図不明、何の為に?の域をどれも出ない

少年漫画ですからとそんなツッコミを入れるのは野暮なのは承知だがそれにしてもまぁ色々何がしたいのかよく分からない

人体錬成で死んだ人間を生き返らせることは出来ないという設定もただのマヌケにしか見えないし

ならばそもそもの人体錬成が禁忌な理由もよく分からなくなる

説得力としての代償が大きい理由が分からない

望みが欠片も適っていないのにあれだけの代償を持っていかれる理由が分からないしそもそもそんなオチならとっくに錬金術が発展していく過程で明確にそれが伝えられていないことが違和感でしかない

そして大佐の視力が奪われたという設定も意味不明

普通それなら視力ではなく眼球が持っていかれなければ辻褄が合わないのではないか

身体の部位を持っていかれるのではなくなぜ視力(或いは視神経のみをピンポイント)を持っていかれるのか

それがありなら腕の運動神経とか脚の神経とかで最初からいいじゃねえかとなる

要するに話としては纏まっているように見えるが設定がチープ化してつまらない

フラスコの中の小人に焦点を当て出してからはもうホムンクルスはただのオマケと化してしまいモブ同然の存在に堕ちた

そのフラスコの中の小人の最期の教訓として欲で破滅するというオチにいたるが

そもそも七つの大罪全てを自身から排除したんだよね?

なのになんで超越したかったとか神になりたかったという強欲のグリードからも支持される程の強い欲を抱いてるんだ?という作中での最大の矛盾が生じる

神になりたかったから強欲を排除したのに神になりたいという強欲を抱える矛盾

 

この辺が本当に動機がブレブレで強引に推し進めているだけに過ぎないのが違和感が強い

そして最後は人類全員でタコ殴りにして弱らせるのも集団リンチを観ている気分になりあまり楽しいものには映らなかった

 

その点でアニメ版一期は色々な面で原作を超えている

ひたすらに毎回開幕のナレーションで訴える等価交換の原則とそれの是非を問うテーマ

ホムンクルスと人体錬成を結びつけた禁忌らしい設定

グラトニーの強さ、全体的にホムンクルスが強い

あまりにも強いので弱点である遺骸が無いと倒し切るのは基本的に難しい塩梅の良さ

全てにおいて鋼の錬金術師は一期が面白いと思う

 

話は変わるが鬼滅の刃はクソつまらなかった

アンパンマンに毛の生えたレベルの幼稚さで本当に反吐が出る

こんなのが興収400億超えるとか日本人は白痴しかいねえなと本気で断言出来る

マジで1mmも面白くなかった