死んだ犬が自由になった瞬間がある
家から脱走したと母親から言われしょうがなく探しに行った時の話だ
真っ直ぐ思うままに走り道を探してると
家から80m先の夜の十字路の真ん中に犬はいた
それを確認すると自分は走ってそこに駆けつけて保護する
イタズラをやってやったぜと言わんばかりに目を丸くさせ機嫌良く満足気に大人しく抱かれて帰路に着いた
ああいう反骨心は大事だと思う
誰に対しても何に対してもブチカマしてやるのは大切だ
でないと生きていてもつまらないのは分かる気がする
つまりやっちゃいけないことなんて制限をいちいちかけなくていい
リバティを求める訳じゃないけど結局一瞬の自由を欲するのは仕方がない
いずれ自分も自由になる
あいつはあの瞬間、自由だったし野生であった
自分の生をあいつは疑問に思い違う自分を確かに体験した
ひたすらに賢い奴だった
ただただ賢くただそれであり続けた
私はどうしようもなく馬鹿である
生き様をどう残せるか
どう少しでもあいつに近づくことができるのか
私の生きた痕跡をどう賢く彩ることができるのか
その答えは自由にある