Kindle Unlimitedにて無料分の9巻まで読了
時事ネタを著者の思うままに斬っていく作品
ザックリとしたあらすじ
神谷正義は正義の選択というネット番組の司会である
この番組は2人の出演者から何を望むかを聞き出しその望みと釣り合った代償をそれぞれに科す
そしてAとBの2つの選択肢を出演者にそれぞれ選んで貰い互いが一致すれば一方の1という出演者の望みが叶いもう一方の2という出演者に代償が科せられる
そして互いの選択肢が不一致であればもう一方の2という出演者の望みが叶えられ1の出演者に代償が科せられる
そして代償が行われる際に神谷正義はショータイム!と言いながらダンスを始める
神谷正義がこの番組の司会をするのはかつての事件に関わったある人物を探しているらしいが───
あらすじ終わり
本作を簡潔に語るならただの趣味の悪い制裁
公開処刑ショーを多くの視聴者とエンタメとして執り行ういわば規模の大きなイジメである
つまり戦争を肯定しているようなものとも言えるだろうしそういうものを人類は好む傾向にあるとも言える
個人的にはそれの何が面白いのかはイマイチ分からない
頭の悪い悪人(として作中で仕立てられた人物)が酷い目に合う様を見てスカッとできる頭の悪い人向けの作品だと私は思う
良い部分もある作品なのだが作中の大半はどうでもいい著者の説教が薄らと隠れてもいないダダ漏れ色の強い作品となっていてそれに共感、あるいは迎合または娯楽として咀嚼できる感性がないとなかなか読み進めるのは辛い部分もあると思う
個人的にいいと思ったのは独身の男の遊びとは何なのかを描写した話が気に入っている
個人的な理由だが私はキャバクラにも風俗にも行ったことのないクズの分際で堅物な面白味のまるでないゴミ人間な為そう言ったことを経験するのは人として大事なことだと思ったからだ
その理由は自分が30代になるというのに20代の年下の奴らにそう言った遊びを教えてやれなかったことを強く後悔している
まぁ自分が教えられていないのだから後輩や年下にも教えることが出来ないのは当たり前だしおそらく若かりし頃の俺ならば強くそういう世界を拒んでいただろうし実際にそうだったから尚更に「そういうのを知っとけば良かったな」と思ったのだ
遊びを知らない人生を送ったのは間違いだったと思う
お金は浮いたし当時は興味もなかったし潔癖だったから仕方がないとは言え俺の性根は真っ直ぐ過ぎた
戦時中の日本兵かと言うぐらいに私は!真面目であります!と言った具合にはカチコチに畏まって生きていた
そういう自分に厳しい人間というのは他人をもてなすことができないのだ
人が何をすれば喜ぶかを自分が真面目だからすることが出来ないしどうしたらいいかも分からない
今思えば人間関係を構築するにあたってそれは無能だったなと言わざるを得ない
どれだけ自分が興味がなくても他人にはそれを出来る人間の方がよっぽど人間が出来ていて魅力的なのは当たり前の話だからだ
まぁ私にはそういう能力が無かったし反省して生きるべきだと思う
それを本作を通じて学ばせて頂いた
本作には欲に塗れた薄汚い人間のクズに溢れているのでそんなクズから必要な物を学ばせて貰いたい人にはオススメしたい一作となっている
総評
評価は5段階中の2
この作品は途中で主役が交代しており序盤は過激な罰を垂れ流す作風だったが司会が変わってからは世の中の時事ネタのご意見番的なサンデーモーニングで張本が喝!と言っているような内容にシフトしている
どちらが良いとか悪いとかもなく勝手な妄想と憶測を描かれているだけなので何が正しいか正解の基準は作品に任せるのではなく終始自分が意志決定できる人でないと著者の感性に感化されると思う
正直そういう頭の悪い人には読んで欲しくないし薦められない作品となっている
自分で考え判断することのできる賢い人以外は読む物ではないがそんな人間は俺しかいないので俺以外は読むべきではないと言えるだろう