僕たちは何を唄うよ

僕を冷凍してもチンせずそのまま捨てて

僕を拒んだら振り返らずそのまま逃げて

なにもかも失った先の現実はとても静かだった

何も見えない暗闇で自販機の薄暗い明かりだけが周囲を照らす

僕を闇から映し出す

僕の吐息は白く、気温の低さを現していた

僕の目は澄んで、表情から感情は読み取れない

寂しさとは、孤独とはそういうものだ

顔には出ない、目にも映らない

普通にいるだけに見える

だが心は空っぽだ

それは他人じゃ分からない

自販機から離れ、暗闇に溶け込み

自分を誰にも見えなくした後

暗闇で叫びと呻きが混ざった声をあげる

彼は何を唄いますか

現実との食い違いは広がる一途

孤独の締め付けは一層強くなった

彼はどこまで耐えるのか、耐えられるのか

眠りの中で彼は温かい家庭を夢を見る

心の疲れは体の疲れ以上に重たい

心が軽ければ体も軽い

けど心の重さを取り除くのは色々と条件が多い

休めば回復する体とは違うのだ

心は筋肉に近い

鍛えるだけ、負荷がかかるたび強くなる

だが下手をすれば歪んでしまう

 心さえ元気なら体は動いてくれる

なにがあっても歪まない心を作ることが重要だ

どれだけ嫌なことがあろうと気にならないようなそんな心が

野ざらしにされても錆びないような金属の心を

そんなこと可能なのだろうか

でもやるしかない

結局やるしかないのだ。逃げ道はどこにもないのだから

地雷原、目に見えた悲惨な局面

一歩一歩前進しだす

他の道はないみたい

僕らの持ってる優秀な頭脳も

時には無意味になるみたい

思考とリスク計算を始めて一歩も進めなくなるくらいなら

そんなのはしないほうがいい

頭は空っぽ目は真っすぐ神様にお祈りはしない

絶望も希望もない無の境地

辛さも喜びもない

静かに静かに進むだけ

自分の人生など自分でさえどうでもいいような態度で

僕たちは何を唄うの

頭の中で軍歌が流れ、懐かしの音楽が流れ

口笛吹き暗闇を歩いてとにかく進むだけ

決して後ろは振り返らない

地雷にぶち当たるその時まで

足は前に進むのを止めない

進んだ先にあるのはおそらく

希望でも絶望でもない

「なにもない」という自分の宿命にぶち当たるだろう

それで構わない

それを確かめに行くために進もう