懐かしかった
あんな時間まで働いたのは久々だった
ポツンと1人残されて片づけをし1人トボトボと帰るあの感覚
あの苦行、この苦行、そしてこの無間地獄こそが
どんな甘美な極楽や体験よりも人生というものの本質を突いている
得られたものは「はした金」
そう、つまり生きるとは厳しいことなんだ
いいことばかりっていうのは人生の本質じゃない、そんなのはハリボテに過ぎない
「何言ってるんだ?人生は楽しいことで満ち溢れているよ」
というならそれは違う、断じて違うよ
それが例え大金持ちでも同じだ
人生で楽しいなんてことは、甘美な瞬間なんてものは極々一部の刹那でしかない
どうしようもなく厳しくてキツくて辛いことがあるから些細な一瞬の幸せが絶大な甘美へ昇華させてくれるのだ
その一瞬の甘さで脳がシビレ狂ってしまうほどの衝撃を与えるのだ
そう、狂ってしまおう
狂えば狂うほど合理的に無駄を省くことができる
幸せだけを感知できるまでに狂ってしまうことこそが天国の扉かもしれない
しかし狂いつつも真っ直ぐだ
狂いつつも真っ直ぐに歩き目標に叩き込む
これが狂人の生き方だ
これが狂人のやり方だ
扉の前でノックをし天国の確認をしさえしない
扉をスルーし幸せよりも崖下に向かう
「挑戦無きは偽りの道」
これをブツブツと呟き崖に向かってダイブする
挑戦こそが狂人の生き方である