イカれてイカれてイカれまくって

その先にあるものは何だ?

 

新しい自分か

それとも腐り切った己か

あるいは何も変わらないか

 

俺はあるがままにこの状況を迎え入れる

誰の手助けも欲しかねえ

そもそも何も欲しくねえ

くたばりてえとも生きてえとも思わねえ

何か為したいこともねえ

 

じゃあ何やるかってイカれるだけイカれるしかねえんだよ

イカれてもイカれてもイカれてもまだイカれたりねえくだらねえ

俺が何をしたいのかもわからねえ

いや分かってるんだが自分がそれについてこねえ

例えばお前が今から5キロ走り切るってなっても走り切れねえのと同じようにだ

もうついてこんのよ

己の考えに行動が

そしてそれを悪いとも思わねえ

淡々と「ああ、そうか」と何も思うことも感想なんてねえ

 

ふと自分の心臓が止まる瞬間をイメージする

息苦しくなり呼吸が止まりもう呼吸が満足にできなくなる

まるで水の中のようなあの気分だ

そんなときふと地元の川が見たいと思った

汚ねえ川だ

下流で海まですぐそこかというような川

工場や生活用水で汚染され切った川

そんな川でも故郷の川だ

そんな川を死ぬ前に苦しみながら見たいと俺は思った

それ自体に何の意味も無くとも

 

俺の人生とはつまるところそういうものだ

その汚い川こそが俺の本流で本質だ

別に好きな訳じゃない愛しい訳でもない

爆弾が落っこちて木っ端みじんになったって構いやしない

ただそれでもそれが己の本質なのだ

汚ねえドブネズミ、フナ、くせえザリガニ

そんなのが俺の本質だ

濁って濁って濁って濁りまくった汚水こそが俺なのだ

俺はそんな汚ねえもんなんか微塵も好きじゃねえ

ただ死ぬ間際その刹那で目に映したいのはそんな汚い光景だ

どんな絶景よりもそれがいい

そして決してそれが好きだから見たいんじゃねえ

それが俺だから見たいのだ

成功に意味はねえ達成に価値はねえ

結局人間本質は生まれた時から何も変わらねえ

俺はそんな汚い水だザリガニだ

国道の道端で何度も轢かれてグチャグチャのミンチになった猫の死骸

そんな光景こそが世の常だと思う

そんなくだらねえ何の価値もない混沌、いや、自然かあるいは何かの豪か

それは知らないが

 

何が言いたいかと言えばくだらねえってことだ

何もかもがくだらねえ

足掻いてる奴らも考えてるような奴らも何もかもがズレていて何よりもくだらねえ

俺から言わせればアイドルの選挙のことしか考えていない連中と何ら変わらないほどにくだらねえ

何もそれは面白くねえしつまらねえしくだらねえ

テメエ本当に脳ミソ入ってんのかよ頼むぜおいって感じだ

ひたすら24時間コマネチをステージ上で連発してそれを観ている大衆のような

そんな憐みしか感じない

 

正直に生きればいい

できないなら「できません」

分からないなら「わかりません」

俺はそれでいいと思う

そういう正直さこそが何よりの謙虚さだろうと

俺はなんでもできるぜイエーなんてありえない

無理なら無理というのも能力の1つ

ラソンでイキってダッシュしてバテるようなんは一番やっちゃダメなこと

自分自身を抑える力、抑制力こそが余剰力を生み対応力へと繋がる

動くときでないのなら動かなくていい

全部わかる必要なんてない

そもそも勝つ必要もないんだから負ければいい

失うものがあるから負けたくないと思うんだ

何も失うものが無ければ端から負けること自体が負けでもなんでもない

既に死んでるなら何度死んだって死ぬことがない

例えば死後評価が上がり続けるみたいなそういうのがあるだろ?

もう死んでるから評価が落ちようがねえ

雑に言うならそんな感じだ

 

だから勝負からは早々に降りちまえばいい

競う意味がそもそもねえ

誰に勝ったって虚しいだけで負けたところでだからどうした

くだらねえし意味がねえ

だから俺は勝つなよ、絶対に勝つな

負けろ負けろ負け続けろ

負ければ負けるほどそれが勝ちになる

面白いくらいにそれが勝つことだ

そうなんだよ、勝ちに価値がねえんだから負けるしか選ぶものなんかねえ

これからも有難く負け続けるよ

なぜって勝っても意味がねえもん

 

例えばお前が20勝投手になったとするよ

すると周りも自分も自分をすげえ存在だと思うようになるだろ

でも結果はそれがキャリアハイで以降はパッとしなかったりしたりする

次第に雑音が増えてくる「あんなもんか」だとか「一発屋」だとかそういうクソどうでもいいことばかりが耳障りになってくる

ちっとも幸せを感じない

生きるラインが急激に上がった結果がそんな首を絞める羽目になったのだ

だったら端からそんなクソみてえな平均なんて下げに下げちまったほうが楽じゃねえか?

あいつはつまらなくてどうしようもないゴミだと言われて思われて生きたほうがよっぽど楽じゃねえ?

何言ったって許される、どんだけスベっても前評判通り

これって何のプレッシャーもなくて俺は最高だと思う

そんな毎回ヒットなんざ打てるかい

ただの人間だぜ俺はってなるよ

次第に何も言えなくなるよりそっちのほうが遥かに生きやすい

好き勝手やらせてくれ言わせてくれ

俺はこの世で最底辺のカスだと思われて生きたい

それが一番俺にとって最良の環境だ

俺はくせえザリガニでいい

綺麗な錦鯉なんざ冗談じゃねえ