結局僕はどこまでも持たざる者なのだ

努力なんてくだらない

根性なんて意味が無い

死力を尽くして挑んでもその見返りなんざ吹けば消し飛ぶほどのゴミみたいなものだ

 

何度も言わせるな

俺は決してニヒリズムでこんな皮肉を言ってるんじゃない

この世は虚無だとかそんな程度の浅い話を俺は言ってんじゃねえ

頼むからそこは理解してくれ、分かってくれよ頼むからお願いだ

 

じゃあ俺がなぜ、なんで冒頭のことを言ったかって

努力なんて何の意味も無いからだ

くだらねえからだ

誰よりも死ぬほど頑張ったところで何も残らない

いいか、俺は誰よりも頑張った

本当に誰よりも頑張ったんだよ

それが、それが何の意味もないことだと分かった

何を頑張ったかは知らねえ、何をやればいいかも分からないからだ

でも頑張ったんだ、本当に死と隣り合わせな状況で

それくらい想いだけは本気だった

だがその想いは何の意味も無かった

何の意味も、無かったんだ

 

例えるならばなんだろう

死にかけのヨボヨボな老人が死ぬほど努力しても野球選手になれないだとか

両腕両足のない人間が死ぬほど努力しても野球選手になれないだとか

視覚聴覚のない人間が死ぬほど努力しても野球選手になれないだとか

そんな感じだろうか

いや、俺は野球選手になろうとした訳じゃないがね

まぁどの道それも含まれてもいいや

仮に誰よりも俺が死ぬほど努力したところで代打代走要員、リリーフにすらなれねえよ

結局そういうことだ

じゃあなんだ?野球選手になれる人間と俺の違いって一体何?ってなったとき

才能の一言でしょ

そう、俺には才能が無かった

何の才能も無かった

悲しくなるほど俺は無能だった

じゃあ生きる意味無いじゃん

俺の人生は無意味だし俺の存在は無意味

うん

俺は何の意味も無い存在だ

その辺に蠢くゴキブリ共となんら変わらねえ存在

なんで生きてるんだろうな

なあその辺のゴキブリはなんで生きてるんだろうな

生きたいから生きてんのか、ゴキブリが

笑えるな

ゴキブリ風情が生きたいから生きてるってだけで笑えてくる

いや生きてもしょうがないだろ

じゃあ生きる意味のある存在ってなんだと問われたら

そりゃあ、あれだろ

美しかったり、カッコよかったり そういう存在だろ

例えば蝶であったり鷹であったり

誰もショップでゴキブリをペットとして飼いたいなんて思わないだろ?

だってゴキブリに価値なんて無いから、美しく無いから

だから俺はゴキブリだったんだ

吐きそうだ

俺の今の心境はゴキブリがさ、鏡の前で立って自分の姿を見るんだよ

そして「うわ!ゴキブリじゃん!」って思うんだけどそれは自分自身の姿なんだよ

それってどうなるのかな

俺はこの後どうしたらいいのかな

それさえも分からないんだ

ゴキブリを忌み嫌うゴキブリが自分をゴキブリだと認識したとき

そのゴキブリは一体何を思いどう行動するのか

この哲学的思考をゴキブリのジレンマと名付けたところで今日は閉幕

 

結論は出さないよ

まだ分からないから